1級管工事施工管理技士 過去問
令和7年度(2025年)
問6 (問題A ユニットa 問6)

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問題

1級管工事施工管理技士試験 令和7年度(2025年) 問6(問題A ユニットa 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

伝熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 均質な固体壁内部において熱伝導により移動する熱量は、その固体壁内部の温度勾配に比例する。
  • 黒体の熱放射のエネルギーは、その表面の絶対温度の4乗に比例する。
  • 対流熱伝達において、熱伝達率は、接する流体の流速、伝熱面の形状・寸法等によって変わる。
  • 固体壁両側の流体間の熱通過による熱移動量は、固体壁の厚さの2乗に反比例する。

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この過去問の解説 (1件)

01

伝熱に関する問題です。

選択肢1. 均質な固体壁内部において熱伝導により移動する熱量は、その固体壁内部の温度勾配に比例する。

問題文内容のとおりです

 

熱伝導は、異なる温度の隣接した物体で、高温物質から低温物質へ熱エネルギーが伝わる熱現象です。

 

Q=λ・((θ1-θ2)/ℓ)・A・τ [J]

Q:熱量流れる、λ:熱伝導率、ℓ:壁厚さ、θ1:高温壁面温度、θ2:低温壁面温度、

(θ1-θ2)/ℓ:温度勾配、A:壁表面積、τ:時間

選択肢2. 黒体の熱放射のエネルギーは、その表面の絶対温度の4乗に比例する。

問題文内容のとおりです

 

熱放射は、電磁波によって熱エネルギーを放出・吸収する現象です。

物体から放出される放射エネルギーは、物体の表面温度の4乗に比例します。

選択肢3. 対流熱伝達において、熱伝達率は、接する流体の流速、伝熱面の形状・寸法等によって変わる。

問題文内容のとおりです

 

固体壁と壁に接する流体間の熱伝熱は、対流・放射・伝導などを伴う複雑な熱現象です。

熱伝達量は、ニュートンの冷却則で、下記のように表されます。

Q=α・(θ-t)・A・τ

α:熱伝達率 ((1/α)は熱伝達抵抗と言います)、θ:固体表面温度、t:周囲流体温度、

A:固体表面積、τ:時間

 

熱伝達率αは、固体表面の形状・寸法・傾き・流体物性値・流体流速に依存します。

選択肢4. 固体壁両側の流体間の熱通過による熱移動量は、固体壁の厚さの2乗に反比例する。

固体壁両側の流体間の熱通過による壁内の熱伝導量は、固体壁の厚さに反比例する

固体壁両側の流体間の熱通過による熱移動量は、固体壁の厚さと熱伝達抵抗に反比例する

 

固体壁の両側の流体が異なるとき、熱の流れは、伝達→伝導→伝達の過程で2流体間の伝熱が起こり、この全過程が熱通過です。

 

伝熱量Q [J]は、以下に式で表されます。

Q=K・(t1-t2)・A・τ

K:熱通過率 [W/(m2・K)]、t1、t2:両側の流体温度、A:断面積、τ:時間

 

K=1/((1/α1)+Σ(ℓi/λi)+(1/α2))

α1、α2:壁両側の熱伝達率、ℓi:壁構成部材の各々の厚さ、λi:壁構成部材の各々の熱伝導率

式から、伝熱量は、Kに比例するので、厚さに関しては、壁内の熱伝導量は厚さの2乗ではなく厚さに反比例しますが、壁表面の熱伝達量に関しては、厚さには関係なく、熱伝達抵抗に反比例します

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